福島商工会議所中小企業景況調査結果
平成20年6月19日
T.調査要綱
(1)調査期間 平成20年1月〜3月期
(2)調査件数 福島市内会員事業所100事業所 回答件数84社(回答率84%)
(3)対象業種 製造業、建設業、卸売業、小売業、サービス業
(4)調査方法 DI値(ディフュージョンインデックス)で算出。本調査においては、好転の割合から悪化の割合を差し引いた数値を表示している。
※DIとは、ディフージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた値である。
U.詳細
●景況感概要について
売上においては、前期(平成19年10月-12月)と比べ、DI値が全国および東北で小幅ながら改善したものの、管内のDI値が悪化した。業況においては、全国・東北・管内のDI値が前期比でマイナス幅が拡大している。採算においては、前年同期比(平成19年1月-3月)で全国・東北・管内のDI値が悪化している。
福島市においては、売上および業況の対前期比、採算の対前年同期比でDI値が悪化した他、今期業況のDI値も依然として低水準となっていることから、当所会員事業所の景況感は厳しい状態となっている。
●前期比-売上のDI値推移
売上のDI値の推移をみると、前期(平成19年10月‐12月期)と比べて全国DI値が0.4ポイント、東北DI値が1.9ポイント改善したものの、管内DI値は2.3ポイントの悪化となった。

●前期比-業況(自社)のDI値推移
業況については、前期(平成19年10月-12月期)と比べ全国DI値が3.9イントの悪化、東北DI値が3.1ポイントの悪化となり、管内DI値についても2.8ポイントの悪化となった。
調査期間 18.7-9 18.10-12 19.1-3 19.4-6 19.7-9 19.10-12 20.1-3 管内DI値 ▲24.0 ▲21.3 ▲25.0 ▲24.0 ▲25.7 ▲23.2 ▲26.0 全国DI値 ▲20.2 ▲20.5 ▲21.6 ▲23.3 ▲23.6 ▲25.9 ▲29.8 東北DI値 ▲22.3 ▲24.5 ▲25.3 ▲26.4 ▲26.5 ▲30.3 ▲33.4

●前年同期比-採算のDI値推移
前年同期比における採算については、全国DI値が5ポイントの悪化、東北DI値が1.1ポイントの悪化、管内DI値が1.2ポイントそれぞれ悪化した。前年同期比と比べた来期の見通しについては、若干ではあるが、持ち直しの動きが見られる。

●今期-業況(自社)のDI値推移
平成20年1月‐3月期における業況については、管内DI値では0,7ポイントと僅かな悪化であったが、全国DI値で6.1ポイント、東北DI値で6.5ポイントと大きく悪化となった。次期の予測としては、全国・管内ともに上昇基調となっている。
調査期間 18.7-9 18.10-12 19.1-3 19.4-6 19.7-9 19.10-12 20.1-3 20.4-6 管内DI値 ▲43.5 ▲41.5 ▲42.2 ▲42.0 ▲42.2 ▲42.2 ▲42.9 ▲28.6 全国DI値 ▲33.3 ▲33.6 ▲35.6 ▲34.2 ▲37.2 ▲37.8 ▲43.9 ▲29,2 東北DI値 ▲35.0 ▲38.0 ▲40.3 ▲38.2 ▲36.0 ▲42.9 ▲49.4 - 日銀短観(福島県) ▲2.0 3.0 ▲5.0 ▲8.0 ▲6.0 ▲8.0 ▲15.0 -

Vその他
(1)-@設備投資
設備投資について見てみると、今期設備投資を実施した企業の割合は23.8%となり、前回の調査よりも0.3%減となった。来期の投資計画については、3.6%増加し堅調な動きが見られる。

(1)-A設備投資の内容
今期の設備投資については、全国設備投資率と比較して、小売業、サービス業を中心に堅調に推移した。内容としては、小売業において、OA機器や付帯施設などが多く挙げられた他、サービス業で建物や車輌運搬具などが挙げられた。また、複数の設備投資を行う事業所が多かった。
来期の設備投資についても、製造業、小売業、サービス業を中心に、生産設備、店舗、OA機器、サービス設備などが予定されている。
(2)従業員
従業員については、過剰であると答えた企業の割合が6.7%も前回より減少した。また、不足と回答する企業の割合が0.7%減少となり、4期連続で減少している。

(3)経営上の問題点
・製造業
1位…原材料価格の上昇
2位…製品(加工)単価の低下・上昇難、需要の停滞
・建設業
1位…材料価格の上昇、請負単価の低下・上昇難、
3位…官公需要の停滞
・卸売業
1位…仕入単価の上昇、需要の停滞
3位…販売単価の低下・上昇難、
・小売業
1位…需要の停滞
2位…消費者ニーズの変化への対応
3位…仕入単価の上昇
・サービス業
1位…利用料金の低下・上昇難、需要の停滞
3位…大企業の進出による競走の激化、新規参入業者の増加、利用者ニーズの変化への対応
人件費以外の経費の増加
(4)業界の動向に関するコメント
製造業
・地域経済が停滞し、受注量が減少している。
・原材料価格の上昇が厳しい。
卸売業
・中国産商品の安全性の問題から、国産品へのシフトが進んでいる。
・原油の高騰による原料の値上で、各メーカーは軒並大幅な値上を実施している。川下である卸、小売業は思うように価格転嫁できていない。
建設業
・請負単価の上昇難、材料費の高騰という中で非常に厳しい状態となっている。
小売業
・昨年10月から県内除軽市場は、一進一退の状況で業況についても大きな回復は望めない。
サービス業
・他社競合激化(進出が多い)
・材料費の高騰
(5)会議所への意見・要望に関するコメント
・銀行の方策なのか、手形帖が高くなっている。得意先も用紙印紙代節約の為と3ヵ月後現金振込を増やして月末入金期日もズレたりしている。また割引手形の枚数が集まらない。代金回収の悪化が進んでいる。
・卸業に対する問題点をアンケート、多い順に研修会を実施してほしいです。
・原材料、石油類の価格安定化。
・入札価格は低水準で推移し受注競争が激しくなっている。加えて仕入コストのアップでダブルパンチを受けているのが現状である、この状況が長引けば、大手ゼネコンの侵入を助長させ益々厳しい環境となりそうです。
・地域活性化の活動を各方面に積極的に提示されていることに地元企業として支援いたしております。
W.参考資料(『福島県 最近の県経済動向』から抜粋) http://www.pref.fukushima.jp/toukei/
(1)個人消費…大型小売店販売額(2 月)は全店舗ベースで総額173 億円、対前年同月比2.5 %増となり、11
か月振りに前年を上回っている。一方、既存店ベースの対前年同月比は0.7 %増となり、6 か月振りに前年を上回っている。
内訳をみると、百貨店は、対前年同月比1.9 %減。一方、スーパーは全店舗ベースで
対前年同月比3.4 %増、既存店ベースで対前年同月比1.3 %増となっている。


(2)建設需要…新設住宅着工戸数(2月)は913戸、対前年同月比25.8%増となり、3か月
連続で前年を上回っている。


(3)-@雇用・労働…新規求人倍率(2月)は1.07倍(季節調整値)、前月より0.03ポイント上昇した。
有効求人倍率(2月)は0.79倍(季節調整値)、前月より0.02ポイント上昇した。なお、有効求人数は27,566人(対前年同月比12.5%減)となり、4か月連続で前年を下回った。一方、有効求職者数は33,607人(同2.9%増)となり、5か月連続で前年を上回った。


(3)-A雇用・労働…常用雇用指数(2月)は99.0、対前年同月比0.4%増となり、11か月連続で前年を上回っている。

(4)物価…福島市消費者物価指数(2月)は101.0、前年同月比1.7%増となり、6か月連続で前年を上回っている。また、生鮮食品を除く総合でみると101. 0、対前年同月比1.4%増となっている。

(5)企業…企業倒産(3月)は、件数が17件、対前年同月比41.7%増となり、5か月連続で前年を上回っている。また、負債総額は132億2,200万円、対前年同月比で53.5%増となり、3か月連続で前年を上回っている。 倒産件数を業種別にみると、建設業が5件と最多となっている。

(6)中小企業の業況…県内中小企業の業況感を表すDI値(3月)はマイナス39.1、前回調査(12月)に比べると2.3ポイント改善している。産業別にみると、製造業は悪化し、非製造業は改善している。
先行き3か月先の見通しは、マイナス38.1となり、ほぼ横ばいの傾向がみられる。
