福島商工会議所中小企業景況調査結果
平成21年3月9日
T.調査要綱
(1)調査期間 平成20年10月〜12月期
(2)調査件数 福島市内会員事業所100事業所 回答件数87社(回答率87%)
(3)対象業種 製造業、建設業、卸売業、小売業、サービス業
(4)調査方法 DI値(ディフュージョンインデックス)で算出。本調査においては、好転の割合から悪化の割合を差し引いた数値を表示している。
※DIとは、ディフージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた値である。
U.詳細
●景況感概要について
米国発金融不安によって経済情勢が不透明である中、売上におけるDI値は、前期(平成20年7月-9月)と比べ、東北で若干の持ち直しの動きが見られたが、全国で大きく悪化した。
業況においては、管内で若干の悪化となったが、全国・東北のDI値が大きく悪化した。採算においても、業況と同様に前年同期比(平成19年7月-9月)と比べて全国・東北・管内とも悪化した。
福島市においては、全国及び東北DI値に比べ下落率は低いものの、今後、雇用の問題や消費の低迷などにより、当所会員事業所の景況感はますます厳しくなると思われる。
●前期比-売上のDI値推移
売上のDI値の推移をみると、前期(平成20年7月‐9月期)と比べて東北DI値が0.9ポイントの改善となったものの、全国DI値が9ポイントも悪化した。管内DI値は0.4ポイントの悪化であった。全国DI値の落ち込みが目立つ。
調査期間 18.7-9 18.10-12 19.1-3 19.4-6 19.7-9 19.10-12 20.1-3 20.4-6 20.7-9 20.10-12 管内DI値 ▲22.6 ▲11.0 ▲21.8 ▲22.3 ▲27.2 ▲21.2 ▲23.5 ▲24.1 ▲25.6 ▲26.0 全国DI値 ▲15.7 ▲17.7 ▲15.9 ▲18.8 ▲19.6 ▲21.8 ▲21.4 ▲24.6 ▲27.5 ▲36.5 東北DI値 ▲16.9 ▲21.8 ▲18.7 ▲19.2 ▲22.3 ▲24.8 ▲22.9 ▲27.3 ▲34.6 ▲33.7

●前期比-業況(自社)のDI値推移
業況については、前期(平成20年7月-9月期)と比べ全国DI値が6.1ポイントの悪化、東北DI値が2.4ポイントと悪化した。管内DI値については0.4ポイントの悪化となった。
●前年同期比-採算のDI値推移
前年同期比(平成19年10月-12月期)における採算については、全国DI値が2.9ポイント、東北DI値が2.2ポイント悪化し、管内DI値についても2.2ポイント悪化した。前年同期比と比べた来期の見通しについては、全国DI値で若干持ち直しの動きが見られるものの、東北DI値、管内DI値については悪化の見通しとなっている。
●今期-業況(自社)のDI値推移
平成20年10月‐12月期における業況については、全国のDI値で6.2ポイントの改善が見られたものの、東北DI値で2.8ポイントの悪化、管内DI値では1.6ポイント悪化した。次期の予測としては、全国で持ち直しの動きが見られ、管内は若干悪化する見込みとなっている。
調査期間 18.7-9 18.10-12 19.1-3 19.4-6 19.7-9 19.10-12 20.1-3 20.4-6 20.7-9 20.10-12 21.1-3 管内DI値 ▲43.5 ▲41.5 ▲42.2 ▲42.0 ▲42.2 ▲42.2 ▲42.9 ▲43.2 ▲45.7 ▲47.3 ▲47.5 全国DI値 ▲33.3 ▲33.6 ▲35.6 ▲34.2 ▲37.2 ▲37.8 ▲43.9 ▲43.9 ▲48.2 ▲42.0 ▲40.6 東北DI値 ▲35.0 ▲38.0 ▲40.3 ▲38.2 ▲36.0 ▲42.9 ▲49.4 ▲48.2 ▲52.5 ▲55.3 - 日銀短観(福島県) ▲2.0 3.0 ▲5.0 ▲8.0 ▲6.0 ▲8.0 ▲15.0 ▲31.0 ▲28.0 ▲35.0 ▲43.0

Vその他
(1)-@設備投資
設備投資については、経済情勢が不透明となっているにも関わらず、今期設備投資を実施した企業の割合は29.9%となり、前回の調査よりも6.9%増となった。来期の投資計画については、3.5%減少の見込みであるが、堅調に推移する見込みである。

(1)-A設備投資の内容
今期の設備投資については、全国設備投資率と比較して、製造業、小売業、サービス業を中心に堅調に推移した。内容としては、製造業において生産設備や付帯施設、小売業においては、土地、建物、販売設備などが多く挙げられた他、サービス業でサービス設備などが挙げられた。
来期の設備投資については、製造業、小売業、サービス業を中心に、生産設備、OA機器などを中心に実施される予定となっている。
(2)従業員
従業員については、不足と回答した企業の割合が3.3%減少した。過剰であると回答した企業の割合については、前期より3.3%減少したものの、依然として高い割合となっている。

(3)経営上の問題点
・製造業
1位…製品(加工)単価の低下・上昇難
2位…原材料価格の上昇、需要の停滞
・建設業
1位…官公需要の停滞
3位…民間需要の停滞、材料価格の上昇
・卸売業
1位…販売単価の低下・上昇難、需要の停滞
2位…仕入単価の上昇
・小売業
1位…需要の停滞
2位…消費者ニーズの変化への対応
3位…販売単価の低下・上昇難、仕入単価の上昇
・サービス業
1位…需要の停滞
2位…大企業の進出による競走の激化、利用者ニーズの変化への対応、利用料金の低下・上昇難
(4)業界の動向に関するコメント
製造業
・リーマン・ブラザーズの倒産以降、一挙に受注減少しています。広告宣伝費の圧縮交際費の圧縮に各企業とも力を入れています。
・為替(円高)の変動対応に課題あり。
・原材料のアップする他、お客様への価額は現状のまま。
・市場の変化→縮小→過当競走→資材高騰・・・悪循環
卸売業
・酒類卸業の今後の進むべき進路と方向性をお聞かせ願えればと思います。関連紙でも良いです。(情報紙等)
・小売、飲食店とも末端での売行とか、11月下旬より急速に悪くなりました。忘新年会のシーズンですが、需要はないようです。
建設業
・受注量の減少ならびに競争激化による収益低下が大きな問題となっている。
小売業
・業況は、昨年11月、12月が連続して大幅に悪化し、1月以降も厳しい状況が続くものと見込んでおります。
・消費マインドの低下。高単価商品の販売減。
サービス業
・景気低迷により新規システム(情報)導入が減少してきている。
・当社主たる事業である公共事業(測量設計)の減少による売上げ不振である。現時点では、忙しいが年度末および年度始め頃が心配である。
・特に大きな変動はなく、同業他社との競合は変わらず厳しい状況にある。
・旅館業であり10月〜12月期に増加するのは当然であるが、21年1月以降は個人消費の落込が著しく予断を許さない状況下にある。
(5)会議所への意見・要望に関するコメント
・飯坂温泉(穴原温泉含む)の知名度アップの施策を講じ、温泉全体の活性化に注力していただきたい。
・世界的な金額危機による今後変化するであろう経済情勢について、お聞かせ願いたいです。研修講座でも良いです。
・政府が迅速に景気対策をとるよう働きかけてほしい。
W.参考資料(『福島県 最近の県経済動向』から抜粋) http://www.pref.fukushima.jp/toukei/
(1)個人消費…大型小売店販売額(12月)は全店舗ベースで総額23 8億円、対前年同月比0.5%減となり、3か月振りに前年を下回っている。一方、既存店ベースの対前年同月比は2.2%減となり、2か月振りに前年を下回っている。
内訳をみると、百貨店は、対前年同月比9.6%減。一方、スーパーは全店舗ベースで対前年同月比1.6%増、既存店ベースで対前年同月比0.4%減となっている。

(2)建設需要…新設住宅着工戸数(12月)は1155戸、対前年同月比14.2%減となり、2か月
連続前年を下回っている。

(3)-@雇用・労働…新規求人倍率(12月)は0.67倍(季節調整値)、前月より0.15ポイント低下した。
有効求人倍率(12月)は0.53倍(季節調整値)、前月より0.05ポイント低下した。
なお、有効求人数は21,156人(対前年同月比20.5%減)となり、14か月連続で前年を下回った。一方、有効求職者数は37,976人(同22.1%増)となり、15か月連続で前年を上回った。

(3)-A雇用・労働…常用雇用指数(12月)は100.1、対前年同月比0.2%減となり、2か月連続で前年を下回っている。

(4)物価…福島市消費者物価指数(12月)は101.5、対前年同月比0.2%増となり、18か月連続で前年を上回っている。また、生鮮食品を除く総合でみると1
0 1 . 9 、対前年同月比0.5%増となっている。なお、対前月比は0.7%減となり、3か月連続で下落している。

(5)企業…企業倒産(1月)は、件数が17件、対前年同月比で15.0%減となり、5か月振りに前年を下回っている。また、負債総額は31億1500万円、対前年同月比で73.5%減となり、3か月振りに前年を下回っている。
倒産件数を業種別にみると、卸売業が5件と最多となっており、次いでサービス業が4件となっている。
