福島商工会議所中小企業景況調査結果
平成20年12月11日
T.調査要綱
(1)調査期間 平成20年7月〜9月期
(2)調査件数 福島市内会員事業所100事業所 回答件数88社(回答率88%)
(3)対象業種 製造業、建設業、卸売業、小売業、サービス業
(4)調査方法 DI値(ディフュージョンインデックス)で算出。本調査においては、好転の割合から悪化の割合を差し引いた数値を表示している。
※DIとは、ディフージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた値である。
U.詳細
●景況感概要について
売上におけるDI値は、前期(平成20年4月-6月)と比べ、全国、東北、管内とも総じて悪化した。業況においても、全国・東北・管内のDI値が前期比でマイナス幅が拡大した。また、同様に採算においても、前年同期比(平成19年7月-9月)で全国・東北・管内とも悪化した。
福島市においては、売上および業況の対前期比、採算の対前年同期比でDI値が悪化した他、今期業況のDI値が更に悪化したことから、当所会員事業所の景況感は非常に厳しい状態となっている。
●前期比-売上のDI値推移
売上のDI値の推移をみると、前期(平成20年4月‐6月期)と比べて全国DI値が2.9ポイント、東北DI値が7.3ポイント悪化し、管内DI値も1.5ポイントの悪化となった。特に東北のDI値の落ち込みが目立つ。
●前期比-業況(自社)のDI値推移
業況については、前期(平成20年4月-6月期)と比べ全国DI値が3.4ポイントの悪化、東北DI値が4.1ポイントの悪化し、管内DI値についても1.5ポイントの悪化となった。
●前年同期比-採算のDI値推移
前年同期比(平成19年7月-9月期)における採算については、全国DI値が4.2ポイントの悪化、東北DI値が4.0ポイントの悪化し、管内DI値についても2.1ポイント悪化した。前年同期比と比べた来期の見通しについては、東北DI値で若干持ち直しの動きが見られるものの、全国DI値、管内DI値については悪化の見通しとなっている。
調査期間 18.7-9 18.10-12 19.1-3 19.4-6 19.7-9 19.10-12 20.1-3 20.4-6 20.7-9 20.10-12 管内DI値 ▲33.8 ▲38.3 ▲38.2 ▲36.6 ▲34.4 ▲37.9 ▲39.1 ▲40.2 ▲42.3 ▲44.1 全国DI値 ▲31.1 ▲31.2 ▲31.4 ▲32.3 ▲35.0 ▲38.3 ▲43.3 ▲45.2 ▲49.4 ▲51.9 東北DI値 ▲34.2 ▲35.2 ▲34.5 ▲36.3 ▲38.9 ▲45.3 ▲46.4 ▲48.9 ▲52.9 ▲50.5

●今期-業況(自社)のDI値推移
調査期間 18.7-9 18.10-12 19.1-3 19.4-6 19.7-9 19.10-12 20.1-3 20.4-6 20.7-9 20.10-12 管内DI値 ▲43.5 ▲41.5 ▲42.2 ▲42.0 ▲42.2 ▲42.2 ▲42.9 ▲43.2 ▲45.7 ▲44.6 全国DI値 ▲33.3 ▲33.6 ▲35.6 ▲34.2 ▲37.2 ▲37.8 ▲43.9 ▲43.9 ▲48.2 ▲36.5 東北DI値 ▲35.0 ▲38.0 ▲40.3 ▲38.2 ▲36.0 ▲42.9 ▲49.4 ▲48.2 ▲52.5 - 日銀短観(福島県) ▲2.0 3.0 ▲5.0 ▲8.0 ▲6.0 ▲8.0 ▲15.0 ▲31.0 ▲28.0 ▲28.0
平成20年7月‐9月期における業況については、全国のDI値で4.3ポイントの悪化、東北DI値で4.3ポイントの悪化、管内DI値では2.5ポイント悪化した。次期の予測としては、全国で持ち直しの動きが見られ、管内も若干ではあるが改善する見込みとなっている。

Vその他
(1)-@設備投資
設備投資について見てみると、今期設備投資を実施した企業の割合は23.0%となり、前回の調査よりも2.6%減となった。来期の投資計画については、1.2%減少の見込みである。

(1)-A設備投資の内容
今期の設備投資については、全国設備投資率と比較して、小売業、サービス業、製造業を中心に堅調に推移した。内容としては、小売業において、車輌運搬具、販売設備などが多く挙げられた他、サービス業で付帯施設、製造業で生産設備などが挙げられた。
来期の設備投資については、製造業、小売業、サービス業を中心に、生産設備、車輌運搬具、OA機器などが予定されているものの、減少する見込みとなっている。
(2)従業員
従業員については、過剰であると答えた企業の割合が前期より7.6%と大きく増加した。不足と回答する企業の割合は、今期において5.3%減少となっている。

(3)経営上の問題点
・製造業
1位…原材料価格の上昇
2位…製品(加工)単価の低下・上昇難、
3位…生産設備の不足・老朽化、原材料費・人件費以外の経費の増加、取引条件の悪化、事業資金の借入難
・建設業
1位…材料価格の上昇
3位…請負単価の低下・上昇難、民間需要の停滞
・卸売業
1位…仕入単価の上昇
2位…需要の停滞
3位…販売単価の低下・上昇難、代金回収の悪化
・小売業
1位…需要の停滞
2位…消費者ニーズの変化への対応
3位…仕入単価の上昇
・サービス業
1位…利用料金の低下・上昇難、需要の停滞
3位…利用者ニーズの変化への対応、材料等仕入単価の上昇
(4)業界の動向に関するコメント
製造業
・原材料がアップしている。メーカーと価額交渉ができない。一方的に値上され、認めざるを得ない。
・仕事が激減。受注額の大幅低下し原材料が大幅アップした。現在の規模の維持は困難。
・紙の値上げが、3年間で30%アップしたが取引先に転嫁できていない。(競争と不景気のため)
・需要構造の変化、IT化の進行により需要減少がはげしい。更に諸資材の価格高騰により採算割れが続いている最悪の事態。
卸売業
・原油高により、仕入れコスト上昇や運賃等の経費増に加えて、食の安全や輸入品の買い負けの問題がある。一方で、量販店のバイイングパワーに価格転嫁ができず、非常に厳しい。
建設業
・公共工事が減少している。
・受注が低調で材料価格の上昇が収益を左迫している。
小売業
・20年度に入るや原油高、宿泊客の減少、経費の大幅増加により収益、資金繰りが悪化している。
・競争激化、資源高に伴う仕入価格の上昇。
サービス業
・顧客ニーズの定量的分析によるサービスの差別化・付加価値をいかに高めていくかが最重要課題
・建設業関連のコンサルタント業は最初に業務受注し、その後土木建設業に発注されていく流れである。予算の関係で建設事業費が激減しておりピーク時の30%を切る状態ではないかと思う。
(5)会議所への意見・要望に関するコメント
・原油高の影響は死活問題である。早急に特別融資枠創設の働きかけ、中小企業への支援等を講じてほしい。
・国の産業政策に意見・要望を行ってください。(今までもやっていただいていますが)
・今後、地方卸としての生き残る為には、何が必要かをテーマとして講義等をお聞きしたい。
・地元経済が順風に回転するのは、建設業に従事する第一次産業の兼業者たちであり、その原動力は大変大きいものである。
・忘年会を望年会にしたいのでよろしくご指導を。
W.参考資料(『福島県 最近の県経済動向』から抜粋) http://www.pref.fukushima.jp/toukei/
(1)個人消費…大型小売店販売額( 9 月)は全店舗ベースで総額17 5億円、対前年同月比0.5%減となり、2か月連続で前年を下回っている。一方、既存店ベースの対前年同月比は1.4%減となり、6か月連続で前年を下回っている。
内訳をみると、百貨店は、対前年同月比5.1%減。一方、スーパーは全店舗ベースで対前年同月比0.5%増、既存店ベースで対前年同月比0.6%減となっている。


(2)建設需要…新設住宅着工戸数(9月)は1,462戸、対前年同月比63.9%増となり、2か月
振りに前年を上回っている。


(3)-@雇用・労働…新規求人倍率(9月)は0.86倍(季節調整値)、前月より0.13ポイント低下した。
有効求人倍率(9月)は0.61倍(季節調整値)、前月より0.05ポイント低下した。
なお、有効求人数は24,831人(対前年同月比22.4%減)となり、11か月連続で前年を下回った。一方、有効求職者数は37,611人(同10.9%増)となり、12か月連続で前年を上回った。


(3)-A雇用・労働…常用雇用指数(9月)は99.9、対前年同月比0.2%減となり、4か月連続で前年を下回っている。

(4)物価…福島市消費者物価指数(9月)は103.6、対前年同月比2.4%増となり、15か月連続で前年を上回っている。また、生鮮食品を除く総合でみると103.8、対前年同月比2.9%増となっている。

(5)企業…企業倒産(10月)は、件数が22件、対前年同月比120.0%増となり、2か月連続で前年を上回っている。また、負債総額は38億9,900万円、対前年同月比で42.4%減となり、2か月振りに前年を下回っている。
倒産件数を業種別にみると、建設業が8件と最多となっている。
